残留農薬の除去方法 効果的な方法は?

残留農薬があるならできるだけ除去して、安心な食材を食べたいと思う方が多くいます。でも、残留農薬の効果的な除去方法とはどのようなものがあるのでしょうか?残留農薬と聞くと体に悪影響があると考えてしまう方がいますが、残留農薬とはそもそも何なのか、どれだけ人体に影響があるのか、また残留農薬を取り除く効果的な方法とは何かを解説していきます。

残留農薬の意味について

残留農薬とは?

農薬とは、害虫や病気から農作物を守り、余分な雑草を枯らすことによって必要な栄養を農作物に届け、より良い農作物をコストを抑え安定的に供給するために必要な物です。

農薬を使わずに農作物を作ることも可能ですが、広い敷地面積のある農家で、手作業により害虫駆除や雑草除去を行うことは困難です。また実際に行えたとしても、その分コストは高くなり生産量は減少してしまうでしょう。

そうしたことを防ぐために、農薬をある程度使うことは必要です。ですが、日本においては人体や環境への影響を考慮して、使用してよい農薬の基準が設けられています。また、農薬の基準だけでなく農薬の使い方の使用基準もあります。

どの農作物にどのくらい使ってよいか、収穫する何日前まで使えるかなどの基準が定められています。そして、農薬は収穫までの間に分解されたり、雨で流れたりして使われた量すべてが残るわけではありません。そこで、残留農薬の基準値も定められていて、農薬が適切に使われているかを調べます。(参考元 - 食品分析センター)

残留農薬の基準値は毎日一生取り続けても健康への影響がないと考えられる量(一日許容摂取量)の80%以下が設定されています。

残留農薬の体への影響は?

残留農薬が基準値を超えた食品を食べてしまったとしても、毎日摂取し続けるのでなければ人体への影響は少ないといえます。なぜなら、残留農薬の基準値は農薬が適切に使われているかを調べるものであり、それを摂取したからといって一日許容摂取量を超えた農薬を摂取したことにはならないからです。

そして数日の間、一日許容摂取量を超えた量の食物を食べたとしても健康への影響は極めて低いです。現代では基準がしっかり設けられているため比較的影響は少ないですが、全くないわけではありません。小さなお子さんは神経をマヒさせる殺虫剤などの影響により脳へ影響を与えてしまう場合があります。

また、胎児に対しても発達障害などの影響が考えられますので、小さなお子さんを持つ方や妊婦さんは残留農薬に気を付けたほうが良いでしょう。さらに、農薬や化学肥料などがアレルギーやアトピーの原因となることもあります。

食物アレルギーのある方は一度、無農薬のものを試してみたり、残留農薬を除去する方法で野菜などを洗ってみましょう。

残留農薬の除去方法~流水~

残留農薬は、「流水」でも十分落ちます。ある実験では、水溶性ではない農薬も除去できたとのことです。つまり水に溶けて農薬が除去できたのではなく、水の流れる勢いによって農薬が洗い流され、除去できたということになります。

これは、農作物を30秒以上流水で洗うだけでも、残留農薬を減少させることができるということです。さらに日本では様々な基準が設けられているので、多くの場合には人体への影響があるほどの残留農薬は残されていない点からも、流水で洗うだけでも十分効果的と言えます。

心配であればスポンジでこすれば、さらに農薬を落とすことができます。

残留農薬の除去方法~酢水~

残留農薬の除去方法として「酢水」も効果的です。水1に対して酢1を入れて酢水を作り、それを野菜に付け込みましょう。野菜に付けた後は流水で洗い流してください。酢水なので洗い残しがあったとしても人体への影響はありません。

また、酢水につけてから水洗いをすることによって、農薬だけではなくほとんどのバクテリアを除去することも可能です。妊娠中には食品を媒介とする感染症などにかかるリスクもあるため、妊婦さんにはぜひ試してほしい方法です。

残留農薬の除去方法~塩水や重曹水~

酢水と似た方法で「塩水」や「重曹水」でも効果を期待できます。水を張ったボウルに塩または重曹を入れて溶かし、野菜を一分程浸す方法です。簡単に残留農薬を除去できる方法ですが、注意すべき点として、野菜を水に浸すと水溶性の栄養分が溶け出てしまうので水に浸しすぎないように気を付けましょう。

塩水に浸す方法ですと灰汁抜きも一緒に行うことができますので、料理の手間も省けて一石二鳥です。根野菜など灰汁抜きをしたい野菜にはぜひ塩水での除去方法を試してみてください。

残留農薬の除去方法~加熱~

残留農薬を除去するために「加熱」も効果的です。その方法には二つ種類があり、一度簡単に茹でて下茹でする方法と、50度程度のお湯に野菜を浸す方法とがあります。農薬や細菌などは熱に弱い性質を持っているので、加熱するのは効果的と言えます。

ですが、下茹でという方法ですと、一度茹でるという手間や食感が変わってしまうという残念な点があります。また、お湯に浸す方法は40度以下ですと効果は期待できなくなりますし、野菜によって浸す時間が違うという難点があります。

これらの点を考えると加熱は効果的な方法ですが、上級者向けと言えるでしょう。

残留農薬の除去方法~専用水~

残留農薬をしっかりと落としたい方には「専用水」を使うのがおすすめです。「強アルカリ性の純水」で農薬を落とすことができ、化学物質を使わない専用の水があります。専用水を使うなら農薬をサッと素早く落とすことができますので、水に浸しておくことによって逃げてしまう栄養素も逃げることなく摂取することができます。

専用水によっては残留農薬の除去だけではなく、カビやウイルスまでも除去してくれるもの、野菜や果物の酸化を防いでくれるものもあります。自分が野菜をどの程度綺麗にしたいかなどによって購入すると良いでしょう。

農薬の除去方法~洗浄剤~

残留農薬を除去する方法として天然素材から作られた「洗浄剤」があります。ホッキ貝やサンゴで作られているので、人体や環境への影響を考えずに使うことができます。ホッキ貝は抗菌効果があるとされていて、サンゴは海を浄化する役割を持っています。

洗浄剤はそれらの特徴を活かしているので効果的に残留農薬を除去できます。使い方も簡単で、水を入れたボウルに洗浄剤を入れて溶かし、そこに野菜を入れてつけ置きします。そうすると水に残留農薬や野菜に付着していた汚れなどが浮き上がってきて野菜を綺麗にすることができます。

使用してみると浮いてくる汚れの量にびっくりするかもしれません。